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professionals.
保坂 泰貴
シニア・アソシエイト
M&A、コーポレートガバナンスを主として、企業法務全般について幅広い案件を担当しています。特に、上場会社を中心に、公開買付け、同意なき買収・競合的な買収等の支配権争奪戦、アクティビスト株主・機関投資家対応のほか、クロスボーダー案件にも多く関与し、アドバイスを提供しております。
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弁護士を志した経緯を教えてください。
専門性・国際性を活かして、日本の経済社会に貢献したい
学生時代、法律を勉強する傍ら、国際学生会議や学生団体の活動に積極的に参加しました。また、大学卒業後すぐにイギリスのビジネススクールに留学し、経営学を学んだという弁護士としては少し変わった経歴も有しています。こうした過程において、国籍やルーツ、専攻分野含めて、様々なバックグラウンドを有する学生が集まる環境で議論をしたり親睦を深める中で、「日本」という国や、「法律」という分野を、離れたところから俯瞰し、相対化して考える機会が多くありました。このような経験を踏まえて、ふと私には何ができるだろう、何がしたいだろうと考えたときに、法律という専門性や、国際性を活かしながら、日本の経済や社会の発展に少しでも貢献していきたいと考えるようになりました。そうした目標を実現するために最適な途は、国内・国外ともにプレゼンスの高い企業法務事務所において弁護士として働くことであると思い、志すようになりました。
MHMに入所を決めた理由を教えてください。
懐の広さと、内なる熱意
就職活動として様々な事務所への訪問をしている際も、私は自分のこれまでの経験を伝えつつ、法を通じて日本に貢献したい、という目標を話していました。今思えば、若者がやや青臭いことを言っていると映る局面も、もしかするとあったかもしれません。しかし、MHMでは多くの弁護士が、そんな私の話にも耳を傾け、「面白いじゃないか」「一緒に頑張っていこう」とポジティブなリアクションをとってくれたことが印象的でした。また、シニアや若手問わず、「自分は今こんな面白い仕事をしている」「将来はこんなことをしたい」と熱く語ってくれる弁護士が多くいました。こうした弁護士に出会う中で、MHMの懐の広さと、それぞれの弁護士の内なる熱意に触れることになりました。こういう事務所に入所したら、周りの弁護士に大きな刺激を受けながら、自由に能力を発揮し、成長することができるのではないかと感じたことが、大きな決め手になりました。
官公庁の出向経験とその後のキャリアへの影響について教えてください。
ルールメイキングへの関与と、新たな思い
2021年から2年間ほど、経済産業省でM&Aやコーポレートガバナンスを主に所管している産業組織課という部署へ出向し、ガイドラインの策定や法令の改正等のルールメイキングに携わりました。特に、M&Aにおける買収提案への対応や開示の在り方などについて定めた「企業買収における行動指針」の策定に向けた政策では、メインの担当官として、企画・立案、研究会の運営、ガイドラインの起案から取りまとめ、対外的な発信等の過程に中心的に関与しました。このガイドラインは、同意なき買収や競合的な買収の実務を中心に、日本のM&Aマーケットに大きな影響を与え始めており、私も指針に詳しい弁護士として、関連する多くの案件に携わっています。こうした経験で得たものは、もちろんガイドライン策定の過程で得た知見そのものも大きいですが、それ以上に、ルールを作る側の視点に立ったことによって、案件における当事者の行動をより俯瞰して、ダイナミックに見ることの面白さに気付いたことや、社会にとってより良い在り方・公正な在り方とは何だろう、と常に問い続けることを、案件を進めるうえでの自らの好奇心や原動力につなげるきっかけを作ってくれたことであると感じています。
M&A業務の魅力について教えてください。
「知の総合格闘技」であるM&A
私が専門とするM&Aは、「知の総合格闘技である」と例えられることがあります。そこには様々な含意があると思いますが、売り手や買い手、対象会社といったプリンシパルのみならず、各種アドバイザー、投資家等の市場関係者、時には大学教授などの研究者も巻き込みながら、国内外問わず多くの関係者がそれぞれの利害関係の中で心血を注ぎ、案件が常にダイナミックに動くという側面を上手く捉えた表現であると解釈しています。また、法務だけでなく、ビジネス、財務、税務といった各種の専門分野、またIR・SR、メディア対応といった、多種多様な知見が複雑に絡み合って進んでいくという意味合いもあるでしょう。こうしたダイナミズムや、企業・社会への影響力の大きさがM&Aの魅力の一つであると感じています。また、案件は常に一筋縄ではいきませんし、自分一人の力ではどうしようもならない局面ばかりです。私はまだまだ修行中の身ではありますが、難しいからこそ、事務所内外のメンバーに助けられながら、日々新しいこと、刺激的なことに挑戦し続けられることが、M&Aの醍醐味なのではないかと思っています。
今後の目標・キャリアプランを教えてください。
経験を積み、新しい視野・新しい人脈を
私はこれまで、学生時代に留学をして法律以外の分野に飛び込んでみたり、弁護士になってからも官公庁で行政官として執務をしたりと、あえて「寄り道」をすることを選択してきたと思っています。しかし、そうした過程での思いもよらない発見や出会いが、事務所での業務の中で多角的な発想や活力を与えてくれていると感じています。これからも、M&Aを軸とした企業法務を通じて、日本の経済社会に貢献できる弁護士になれたら、という思いは変わりません。私は弁護士としてまだまだ若手ですので、まずは一人前になり、責任を持って案件に向き合うために、これからも多くの人と出会い、関わり合いながら、経験を積み、研鑽を続けていくことが必要だと思っています。そのために、国内・国外の枠組みを問わず、最先端の実務に身を置きつつ、将来的には特定の分野を牽引できる様な弁護士になれたらと思っています。