UCバークレーへの留学
LLMプログラムのカリキュラム
通常、アメリカの学生は約3年間のJDプログラムに参加するのですが、他国での法学部・法科大学院の学位取得者や法曹の有資格者などは、約1年間のLLMプログラムに参加するのが一般的です。UCバークレーのLLMプログラム(Traditional Track)は、秋学期(8月~12月)・春学期(1月~5月)の2学期制で、例年、50か国以上から200人程度の学生が参加しています。
LLMプログラムの必修科目は、2科目のみです。1つ目のFundamentals of U.S. Lawという科目では、アメリカの法制度・統治機構の概要、コモンローの判例分析、主要な憲法判例について学びます。2つ目のLegal Research and Writingという科目では、アメリカの判例・文献のリサーチ方法やアメリカでの法律文書のスタイルを学びつつ、架空の事例に関して15~20頁のリーガル・メモを作成していきます。また、カリキュラムには、グループ・ディスカッションやディベートだけでなく、各学生が自国のリーガル・トピックについてプレゼンテーションを行う課題なども組み込まれており、充実した内容になっています。
必修科目以外については、各自の興味・関心に合わせて履修科目を選択することができ、私は自分の業務分野に関連する科目を2つ選択しました。1つ目は、主にアメリカの会社法に焦点を当てたBusiness Associationsという科目ですが、実務で頻繁に参照する日本の会社法と比較しながら理解を深めるように努めました。2つ目は、Business in Societyという科目で、最新の学術論文や企業のケーススタディ、総勢15名程度の実務家とのディスカッションなどを通じて、ステークホルダー資本主義、ユニバーサル・オーナー、シェアホルダー・アクティビズム、コーポレート・カルチャー、ESG関連トピックなどについて学びます。まだ日本の実務では浸透していない先端的な分野についても多く触れることができ、非常に有意義でした。